ピラティスは全身を整える
「お腹周りを引き締めるために腹筋運動をする。」
「腕の力をつけるために腕立てをする。」
「お尻を鍛えるためにスクワットをする。」
体を変えるために一箇所の部分を運動することはわかりやすく、取り組みやすいです。
しかし、このことは体の動きにとっては効果的なのでしょうか?
体は全身に繋がっています。
そのため一部の部分だけでなく、全身を考慮した上で運動して行くことが身体をよりよくするための遠回りのようで最も近道な方法だと考えています。
2020年10月19日から毎週月曜3回にわけて、この「軸のエロンゲーション&コアコントロール」についてオンラインセミナーで学んでいます。
10月26日は2回目となるセミナーでした。
1回目のセミナー忘備録はこちら
体はテンセグリティ構造
テンセグリティという言葉をご存知でしょうか?
テンション(tension):張力
インテグリティー(integrity):統合
この二つを合わせた造語がテンセグリティTensegrityです。
もともとは建築業界の構造的なことを表す言葉でした。
アート作品などにも用いられていますが、生物の細胞膜や人間の筋骨格の構造もテンセグリティ構造だと考えられています。
テンセグリティは最小の材料で効率的な安定をこたらす構造と言われています。
まるで宙を浮いているようですね。
セミナーでは下の椅子の動作がを紹介されていました。
不思議ですね。
テンセグリティと検索していただくと様々な画像や動画を見ることができます。
どれもすごいです。
先ほど述べたように体はこのテンセグリティ構造のような形で安定性が得られています。
体の全身の張力が骨や筋、筋膜、靭帯など様々な組織により適切に保たれている必要があります。
そのため、一部分だけのトレーニングをして張力を高めたとしても全体のバランスを考えなければ、むしろ反対に身体を崩れてしまうのではないでしょうか?
筋肉のつながり(Andry Vleeming)
テンセグリティ構造の観点から体の繋がりを考慮した上で運動していくことが必要だと考えられます。
体の繋がりに関しては筋膜などから様々なことが提唱されています。
今回はポールスターピラティスのコースでも紹介される筋肉のつながりについて紹介したいと思います。
Andry Vleeming氏の提唱する筋肉のつながり
- 腹斜筋前部の組織(AOS)
- 腹斜筋後部の組織(POS)
- 深部縦走組織(DLS)
- 側部組織(LS)
筋のつながりは「動き」と「深層の安定筋(インナーマッスル)と関節の安定性と保護」に重要な役割を果たしています。
それではそれぞれを少し細かく見ていきたいと思います。
AOS(腹斜筋前部の組織)
外腹斜筋、反対側の内腹斜筋、反対側の内転筋から構成されます。
恥骨結合と仙腸関節の安定性に大きく役立っています。
POS(腹斜筋後部の組織)
広背筋、胸腰筋膜、反対側の大臀筋から構成されます。
仙腸関節の安定性と回線を伴う動き、歩行の際の骨盤帯を通じた負荷の移動に大きく役立っています。
DLS(深部縦走組織)
脊柱起立筋、仙結節靭帯(多裂筋)、大腿二頭筋、長腓骨筋、前脛骨筋から構成されます。
足が地面についている時には常に作用しています。
大腿二頭筋を介して骨盤と下肢の動きに作用し、動作の力を胸腰筋膜と脊柱起立筋を介して送り届けています。
LS(側部組織)
中殿筋及び小殿筋、反対側の内転筋、反対側の腰方形筋から構成されています。
身体の前額面での安定性に不可欠です。
横方向の身体の崩れを軽減してくれます。
仙腸関節には直接関与はしていないですが、立位あるいは歩行時の骨盤帯の機能に大きく関与しています。
まとめ
体の構造は不安定ですが、骨や筋、筋膜による張力により安定性がもたらされています。
そのため一箇所だけを狙った運動のみでは姿勢や動きは機能的に働くことはできません。
全身のつながりを考慮した運動を学習していくことで、本来の体の機能が発揮しやすい状態になるでしょう。
豊橋でピラティス
理学療法士の資格を有するピラティストレーナーによるセッション。
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